前回までに、不当表示の 「優良誤認」と「有利誤認」
二重価格表示として「当店通常価格」と「メーカー希望小売価格」
この2つの価格表示について、ザックリ解説してきました。
正しい価格表示は、お客様が安心して買い物をするための大前提です。
今回は、価格表示の基本ルールをしっかりおさえつつ、
「楽天市場の価格表示」を少し掘り下げて確認していきましょう。
目次
覚えておきたい「割引表示」のルール
まず、今回注目していく「割引表示」の基本をおさらいしておきましょう。
セール・激安・お買い得など販売価格の安さを強調する表示
楽天市場では「二重価格・割引表示に関するガイドライン」の中で
このように定義づけています。
とは言え、割引表示の言い方はさまざまなので
どれがセーフでどれがアウトなのか、曖昧な部分がありますよね。
楽天市場ではわかりやすい例として
いくつかの表現を”NGワード“として公開していますので、確認しておきましょう。
「セール」「激安」「格安」「爆安」「安値」「お買い得」「在庫処分価格」「クリアランスセール」「安い」「衝撃価格」「驚愕価格」「特別価格」「限定価格」「特別○円」「限定○円」「限定特価」「特別セール」「限定セール」等
違反点数の加点や罰金などのペナルティは無いんだぽ
気をつけるぽ~!
明確なペナルティが無いとはいえ、具体的な説明がない状態で
消費者に「安くなっている」と誤認させる表示は、違反点数制度の加点対象となります。
そのため、「安くなっている」とユーザに認識させる表記をする際には
「どの価格と比較しているのか、どう有利なのか」
の具体的な説明が必要になります。
割引表示のポイント
割引表示は「何かと比較して安くなっている」と消費者に認識させる表記なので
まず「安くなった価格は何と比較をしているか」の部分を明確にしておくことが重要です。
①二重価格欄を使用している場合
「当店通常価格」「メーカー希望小売価格」などの二重価格表記が
商品ページの二重価格欄に正しく表記されている
二重価格欄に元値の表示がされている場合は
「激安」や「セール」などの割引表示も可能とされています。
二重価格表示については、過去の記事で詳しく掘り下げていますので
そちらも参考にしてみてくださいね。
②二重価格欄を使用していない場合
比較元の価格が、RMSの二重価格欄に選択肢のない
「参考小売価格」「ブランド公式サイト掲載価格」「実店舗販売価格」などの場合、
あらかじめ商品ページに元値の記載をしておく必要があります。
- 比較対照価格がどのような価格であるか具体的な説明がされていること
- 記載内容に虚偽がないこと
また、割引表示の基本は「何と比べて、どう安いのか」という部分なので
下記のように、具体的な説明を記載しておくことが推奨されています。
「昨年の販売価格から値下げしました」
「新モデル登場で型落ちにつき、お得な価格です」
この条件をふまえた上で、商品ページ内に二重価格表記がされていれば
参考小売価格(※二重価格文言) ○○円 → 【セール】○○円
このような表記も可能です。
ただし「元値より○○%OFF」といった割引表示に関しては
表記する二重価格の種類によって利用できない場合がありますので、
店舗運営Naviの「二重価格・割引表示に関するガイドライン」を確認しておきましょう。
正しい「セール」の使い方
意外とカッチリした割引表示のルールがあるとは言え、
ネットショップを運営する上で「セール」は非常によく使う表記ですよね。
「セール」って使いたいときはどうすればいいの??
どんな理由でそのセールをしているのか
ちゃんとした根拠があれば「セール」の文言も使えるぽ!
独立した「セール」のカテゴリや特集ページなどを作成する場合も、
商品ページ上に“セール”と記載するのと同等とされています。
繰り返しになってしまいますが
「何と比べて、どう安いのか」の部分がセール文言の根拠となりますので
消費者にわかりやすく記載することを心掛けましょう。
注意したいその他の価格表示
福袋
年末が近付くと増えてくる「福袋」の価格表示にも明確なルールがあります。
- 相当額が何の価格であるかの説明を商品ページに記載すること
- 相当額に明確な根拠があるもののみ記載すること
- 記載内容に虚偽がないこと
- 相当額が市場価格と著しくかけ離れていないことを確認すること
また、福袋の商品で商品ページなどに「○○円相当」と記載する場合、
相当額からの割引率・割引額表示(○○円引き・○○%OFF)は禁止とされています。
セット割引
「【それぞれが元値3000円】の「A」と「B」を【セットで購入すると5000円】」
のような割引方法が「セット割引」です。
同一のショップ内であれば、複数商品をセットとして割引で販売することが可能です。
- セット商品の商品ページ上に、セットに含まれる各商品の個別ページへのリンクをわかりやすく掲載すること
- セット商品の販売価格が市場価格と著しくかけ離れていないこと
- セット商品の比較対照価格は、セットに含まれる各商品を個別に買った場合の合計額とすること
この場合の「セット商品の比較対照価格」は「セット割引後の価格」に掛かっています。
先程、例で挙げた【それぞれが元値3000円】の「A」と「B」の場合、
【合計金額の6000円】が「セット商品の比較対照価格」となります。
早期割引・早期特典
特定のタイミングに向けて早期に注文をおこなうことで、
注文者が何らかの特典を受けることができる販売方法です。
「お中元」や「お歳暮」など、特に季節のギフト商品でよく見かける早割ですね。
早期割引・早期特典は“特定のタイミング”さえ明確であれば
どのショップでも利用できますが、早期特典を適用できる期間は
以下のように定められています。
早期注文の受付期間は、遅くとも特定のタイミング(イベント)の2週間前まで
※これを越えた時期には、特典が適用できません。また、開始時期の指定はありません。
また、商品ページ上にはガイドラインで定められた以下の事項を明記しておきましょう。
- 早期注文の特典内容
※特典内容が割引の場合は、早期特典終了後の販売価格を明記 - 早期注文期間
(例) ●月●日まで○円を20%OFF、▲月▲日から○円 など
将来の価格を比較対照価格として早期割引をうたう場合には、
その価格で将来実際に販売することが確実である必要があります。
早割を行う場合は、
早期注文期間終了後の価格で販売する在庫の確保をしっかりしておきましょう。
大型季節イベントの早期注文期間
楽天市場では、以下の3イベントについて明確な早期注文期間を設定しています。
- お中元 : 7月10日まで
- お歳暮 : 12月10日まで
- おせち : 12月18日まで
早期割引期間中、割引後の値段から更に値引きを実施してしまうと
違反行為となってしまいますので、価格設定は充分に注意して行いましょう。
▼季節イベントの贈答時期についてはこの記事も参考にして下さいね♪
まとめ
今回は楽天市場での色々な割引表示をご紹介しました。
ガイドラインを知らずに、うっかりやってしまっていることはありませんでしたか?
価格表示・割引表示に関するガイドライン違反をしてしまうと、
違反点数20点を課せられてしまう場合があります。
楽天市場などのECモールは特にセールや割引販売の機会が沢山ありますので、
要所要所でしっかりガイドラインを確認しておきましょう!
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