楽天市場で2024年度の導入が予告されていた「配送品質向上制度」ですが
2024年7月1日(月)から本格的にスタートし、それと同時に「最強配送」ラベルの表示も始まりました。
今回は、楽天市場でスタートした配送品質向上制度の概要と
最強配送ラベルについて解説していきたいと思います。
目次
配送品質向上制度とは?
ユーザーがより快適にお買い物を楽しめるECモールとなるための取り組みで、配送サービスに対しての多様化するニーズを満たす商品と判定された商品には「最強配送」というラベルが付与されるものです。
【サンプル】最強配送ラベル
楽天市場の最強配送ラベルは、Yahoo!ショッピングの「優良配送」と同じような役割で、配送品質の高い商品へ誘導することで、楽天ユーザの利便性や満足度を上げる目的があります。
最強配送ラベル獲得のメリット
最強配送ラベルを獲得することで、店舗様が得られるメリットや期待できる効果は
大きく分けて以下の3つです。
- 検索順位アップが期待できる
- アクセス・転換率アップが期待できる
- 店舗の信頼性アップ
検索順位アップが期待できる
配送品質向上制度のガイドラインに、以下のような記載があります。
「最強配送」ラベルは検索順位決定の要素のひとつに含まれ、「最強配送」ラベルを獲得された商品は、そうでない商品と比べて楽天市場内での露出が向上する可能性があります。
最強配送ラベルを獲得することはSEOとしての効果があり、検索順位アップ、モール内での露出向上が期待できるということです。
アクセス・転換率アップが期待できる
最強配送ラベルは検索結果画面でも表示されます。
楽天ユーザの80%は検索を使って商品を探します。たくさんの競合商品が並ぶ中で ”最強配送” とラベルの付いた商品は、それだけでユーザの目に留まりやすく、クリック率やアクセスの増加が期待できます。
さらに、検索結果や商品ページに表示されるお届け予定日で、希望のタイミングで商品を受け取れるかが明確に分かるため、購入決定までの検討時間が短くなり、転換率アップにもつながる可能性があります。
店舗の信頼性アップ
配送品質向上制度がスタートした2024年7月現在、最強配送ラベルを獲得している商品はまだまだ少ない状況です。
このような状況で最強配送ラベルが獲得できている商品はユーザの注目も集めやすく、店舗としての信頼性も大きく上がることが期待できます。
ただし、最強配送ラベル獲得には厳しい条件をクリアする必要があります。
最強配送ラベル獲得の4つの条件
最強配送ラベルを獲得するためには、以下の条件をクリアする必要があります。
- 楽天SKUの移行対応
- お届け日表示機能への対応
- 店舗基準のクリア
- 商品基準のクリア
楽天SKUの移行対応
楽天SKUとは、価格の異なるバリエーションを持つ商品でも1つの商品ページで販売することができるようになる仕組みのことで、この仕組みへの移行を完了させていることが最強配送ラベル獲得の条件になっています。
2023年4月からSKUプロジェクトがスタートし、2024年7月時点ではほとんどの店舗様で移行が完了していますが、一部店舗様では未対応のところもあるようです。
楽天市場で販売を続けていくためには、必ず移行が必要となりますので、未対応の店舗様は早めに移行を完了させましょう。
お届け日表示機能への対応
次に、配送日時指定が受けられる商品に対して「お届け日表示機能」への対応が必要です。
SKUごとに「発送元の住所」と「出荷リードタイム」を設定することで、最短で指定できるお届け日が検索結果や商品ページに表示されるようになります。
【サンプル】最短お届け日の表示
店舗基準のクリア
3つ目の条件は、以下の基準を店舗単位でクリアすることです。
店舗基準 | 特例 |
納期遵守率が96%以上 | |
6日以内お届け件数比率が80%以上 | ※商品の性質上6日以内が難しいものは除外して計算 |
月間出荷件数が100件以上 | |
共通の送料込みラインの導入(39ショップ) |
- シーズナルイベント商品(例:バレンタイン、母の日、ハロウィン、クリスマス など)
- 発売日が将来に予定されている商品(例:CD、DVD、アパレルなどの新作)
- 配送の手配や調整に伴い配送日が変動する超大型商品
- 最適な状態でお届けするため納期が変動する商品
- 名入れ・オーダーメイド商品
- ふるさと納税返礼品
商品基準のクリア
最後の4つ目の条件は、以下の基準を商品単位でクリアすることです。
商品基準 | 特例 |
365日いつでも出荷可能 | 年末年始(12/31-1/3)および月1回の休業日は除外 |
午前の注文は「翌日お届け」が可能 午後の注文は「翌々日お届け」が可能 |
土日祝は翌日お届け締め切り時間を最短午前9時に設定可(平日は正午以降) |
この商品基準をクリアした商品は、翌日・翌々日の配送が可能な地域のユーザにのみ最強配送ラベルが表示されます。
365日出荷対応を実現するために
最強配送ラベル獲得の条件を見て、うちのショップじゃ無理だ…と、あきらめの声を上げてしまった店舗様も多いのではないでしょうか。
365日出荷対応の懸念点
SKU移行やお届け日表示など、設定作業に時間がかかることも懸念点ではありますが、何よりも「365日出荷対応」が一番大きな壁になるのではないかと思います。
現状で365日出荷対応を行っていない店舗様が、この配送体制にするには店舗運営を大きく変更する必要が出てきます。
土日も休まず出荷を行うため、新たな人員確保や物流委託先の変更など、運営コストが大きく増加する可能性があります。
楽天市場の支援策
最強配送ラベル獲得には厳しい条件を設けているものの、楽天市場としてはより多くの店舗・商品が認定レベルに達し、ユーザの利便性や満足度を上げたいというのが本音です。
そのため、配送ラベル獲得に向けたいくつかの支援策を講じています。
必要に応じて活用を検討してみるのも良いかもしれません。
専用の診断チェックシートに回答すると、ラベル獲得に必要な課題が確認でき、課題解決に役立つ楽天大学の動画コンテンツを案内してくれます。
必要な知識やノウハウを学ぶことが可能です。
最強配送ラベル獲得を目指す店舗様向けの相談窓口で、物流コンサルタントが個別の相談に乗ってくれます。
実際に相談をした店舗様の87%が「次のアクションが明確になった」と回答しているようです。
楽天が運営する物流サービスで、RSLと略称で呼ばれることも多いです。
荷受けから配送までを一括委託でき、365日出荷や土日出荷にも対応可能です。
こちらも楽天が提供している受注管理システムサービスです。
RSLと連携することで自動出荷が可能となるため、大幅な運営効率化につながります。
まとめ
最強配送ラベルを獲得することは店舗としてもメリットが大きいですし、多くのユーザの満足度向上にもつながりますが、獲得条件をクリアするのは簡単なことではありません。
ラベル付与は商品(SKU)ごとに行われますので、大きな負担なく対応できる一部の商品からラベル獲得を目指すという方針も良いかと思います。
店舗様の努力が必要になる取り組みではありますが、店舗の対応品質をアップさせる良い機会にもなり得ます。楽天市場の支援策も活用しながら、最強配送ラベル獲得に挑戦してみてはいかがでしょうか。
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