現代はYouTube戦国時代とも言われ、芸能人やスポーツ選手、文化人など
様々なジャンルの著名人が続々とYouTubeに参入しています。
インターネット上には、1分間で500時間分もの動画がアップロードされ
今も驚異的なスピードで拡大を続けています。
参考: statista
そんなYouTubeはマーケティングツールとしてあらゆるシーンで利用されるようになっており、それはECにおいても例外ではありません。
ですが、これだけ多くの著名人が参入し、競合が増え続けるYouTubeで
「果たして再生数を伸ばしていくことはできるのか?」
そんな疑問をあなたも持っていると思います。
そこで今回は、私がコンサルティングしている、Stitch Being(ステッチビーイング)さんの協力のもと、YouTube開始から3ヶ月で自社商品購入にまで繋げ、5ヶ月で自社サイトへのアクセスを1万人増やし、自社の売上が楽天を超えた取り組みについてお話していきます。
最初にお伝えしておきますが、広告などは一切かけておりません。
最後まで読んでいただく事で、YouTubeの間違った使い方を避け、途中で挫折しない運営ができるようになるので、是非最後までご覧下さい。
目次
YouTubeを始めることになった経緯
結果をお伝えする前に、YouTubeをはじめることになった経緯からお伝えさせて頂いてからの方が、理解が深まると思いましたので、簡単に説明させて頂きます。
ステッチビーイングさんは楽天市場と自社サイトでクロスステッチなどの刺繍材料や手芸用品を販売されているショップさんです。
YouTubeをはじめる大きなきっかけとなったのは、既に店舗でブログを運営していたという点です。
多くのショップさんが楽天市場だけで集客と販売を行う一方で、
ステッチビーイングさんはブログを活用し、Googleの検索ユーザーへのアプローチを既に行っていました。
楽天市場のようなモールでの店舗流入は「指名検索(=商品名での検索)」や
それに関連する複合ワードでの検索による流入がほとんどです。
つまり、そのキーワードで上位表示されていなければ、売上を一定に保つことは難しいということなのです。
ライバル店はその指名キーワードを独占するために、極端に商品を安くすることで販売件数を増やしたり、多くの予算を投じて広告を打ったりします。
しかし、そのような店舗は資金力がある店舗に限られています。
逆に、広告を出し続けなければアクセスを維持できない状態になっている店舗も存在します。
そんな広告に頼り切った集客を避けるために、GoogleやYouTubeで「比較」「使い方」「改善方法」「おすすめ」など、商品購入前や購入後に検索されるキーワードをもとに
ユーザに役立つコンテンツを作ることに決めました。
楽天市場ではほとんどがそのようなワードでの検索はないからです。
最初はブログを考えていましたが、縫い方などの説明には動画の方が伝わりやすいこと
そして代表の意向もありYouTubeを始めることにしました。
5ヶ月でチャンネル登録者数415人増!
それではここからは、YouTubeを始めて5ヶ月でチャンネル登録者数を415人増加させ、自社商品の購入にまで繋げた結果をお伝えしていきます。
チャンネルはこちら
ステッチビーイングさんは2年ほど前に2本の動画を投稿して以降、私と出会うまで動画の投稿は止まった状態でした。
その時のチャンネル登録者は151人でした。
約8ヶ月前の2020年9月の中旬からYouTubeの投稿を再開し、2021年4月6日でチャンネル登録者を664人増加させ、現在チャンネル登録者は804人になりました。(2021年4月6日現在)
現在その影響で楽天6:自社4の売上比率が「楽天4:自社6」となり、逆転に成功しています。
ECサイトを運営されている方ならわかると思いますが、無名のアカウントが5ヶ月で広告なしで47,000アクセスに到達させることは簡単なことではありません。
私もブログを7年やっていますが、アルゴリズム上5ヶ月でそこまで伸ばす為にはかなりの記事数が必要になります。
しかし、YouTubeでは短期間でそのような結果を出すことに成功しています。
今年7月にはチャンネル登録者数1,000人を達成させ、収益化させる予定です。
グーグルアナリティクスの変化
ここでは実際にyoutubeをはじめてからどのくらい自社サイトのユーザー数が増えたのかをお伝えしていきます。
結論から言うと、5ヶ月目でユニークユーザー(アクセス人数)は始めた頃の9月と比較して、一月で1万人も増やすことができています。
ページビュー数は16,000アップしました。
訪問数で考えた時に、youtubeはすごい広告としての役割を果たしてくれていると言えます。
1クリック50円の広告を出稿した場合1万人にクリックしてもらえたと考えると、約50万円の広告に匹敵すると言うことです。
広告との大きな違いは継続性です。
広告はお金を出さなければ出稿できませんが、youtubeの場合はコンテンツが蓄積していくので、動画を作れば作るほどアクセスは緩やかに右肩上がりを続けていきます。
ご覧の通りyoutube経由からのアクセスが非常に増えました。
※データは一部となります
さらに、商品購入まで繋げることができ、ユーザーからこんなレビューを頂いています。
もし、あなたがYouTubeを自社商品購入に繋げる為に活用していきたいとうことであれば、非常に参考になると思います。
注意していただきたいのは、インフルエンサーのように再生数だけで稼いでいきたいという人には不向きな内容だということです。
不特定多数のファンを増やすのではなく、自社商品ジャンルに興味のあるファンを集めたい、そして自社商品購入につなげたいという方に向けたノウハウです。
YouTubeを投稿する前にした5つのコト
YouTubeという戦場に、何の武器も持たずに出撃させるわけにはいきません。
まずは、何をどうすればたくさんのユーザーに視聴してもらえるのか、ファンが増えるのか、ということを調べていく必要がありました。
これから私がステッチビーイングさんがYouTubeを始める前に行った5つのことを共有していきます。
1. ライバルとなるYouTuberの調査
まずYouTubeを始める前に私がやった事は、市場調査です。
わざわざ同じ戦場で戦うのではなく、戦わずして優位なポジションを獲得できないかという観点で調査を行いました。
まず調査したのは以下の10点です。
- 同一ジャンルの中でどのような動画の視聴回数が多いのか
- 動画のgoodボタンの数
- 動画自体の形式
- 動画自体の長さ
- YouTube内での検索結果
- ライバルの投稿頻度
- サムネイル画像
- 動画の統一性
- ライバルの動画の伸び率
- 動画内のコメント
この10点については、今も確認し続けています。
それぞれ理由を説明したいところですが、かなりのボリュームになるので、今回は特に私が重要だと思っている動画の形式について触れていきます。
2. ライバルとなるYouTuberの動画を分析
クロスステッチジャンルでのライバルYouTuberの動画は長いものばかりで、なおかつ分かりやすさに欠けていました。
それでもYouTube検索のトップに出てくるのでチャンスがあると考えました。
YouTubeの検索上位に表示させる為には、既に上位表示されている動画より、価値の高い情報を提供することです。
それを参考に「もっと分かりやすさを追求」「もっと比較できないか追求」「もっと専門家の意見を聞けないか追求」「もっと検証できないかを追求」と考え、動画のタイプを決定しました。
結果、ステッチビーイングさんは、他よりも内容を細分化し、5〜10分の動画にまとめ、さらにニッチなカテゴリーの動画の充実を図ることにしました。
もしYouTubeを検討していて、何から始めれば良いか分からないという方は
一度、お問い合わせフォームからご質問下さい。
3. YouTubeを運営する目的を明確にする
ここは非常に大事な点です。YouTubeを何の目的で活用するのか?という部分です。
これが決まらないで運営すると以下のような壁に、すぐぶち当たります。
- 再生数が上がらないことでモチベーションを落とす
- 登録者が増えないことでモチベーションを落とす
- 成果が出ないと明らかに成果が出ているYouTuberと比較し始める
上記のようなマインドに陥ることで投稿頻度が下がり、やがて自然消滅してしまいます。
ステッチビーングさんは「買ってもらった商品を120%楽しんでもらう為」に
how to系を中心に動画をアップしています。
まず楽しんでもらうことを優先すれば、ユーザーの興味は自ずと商品に向いていくからです。
したがってYouTube上では商品自体の紹介はしません。紹介した時点で「結局営業かよ」と思われるだけだからです。
このように、何の為に行うのか?という点を決定しました。
4. ターゲットを明確にする
よくターゲットを明確にすることが大事だと言われると思います。
なぜでしょうか?
それは離脱されてしまうからです。デジタルの特徴は「いつでも離脱できる」というマイナスな特徴を持っています。
この動画は自分にとって関係ないと思われてしまったら、離脱してしまいます。
そうならない為に、特定のユーザーに向かってメッセージを送る必要があります。
例えばあなたが「コロナの影響で売上が落ち、なるべく少ない資金で効果的に集客をしたいと考えている」とします。
動画の始まりに・・・
今コロナの影響を受けてなるべく低コストで集客を実現したいと思っているあなた!この動画を最後まで見れば、低コストどころか、コストがかからず幾らでも自分の発信する動画で集客をすることができるようになります!!
と、あなたに向かって発信している動画を見た時、すぐに離脱しようとは思いませんよね?
ターゲットを決めるということはそのような効果があります。
ステッチビーイングさんは「40〜60歳の間で昼間の時間に余裕があるクロスステッチ中級者向け」に設定されています。
5. 動画自体の構成の決定
動画の大まかな構成は以下のようになっています。
- これは何の動画なのかを伝える
- ほんの少し詳細を伝えチャンネル登録や自社サイトへの誘導を促す
- 本編の内容に入る
- 最後にもう一度チャンネル登録を促す
もっとアップデートしていく必要はありますが、現状この運用で一定の登録者を増やせています。
ここまでが、YouTubeに動画投稿する前の準備となります。
これだけ決定していれば、迷うことはありません。あとは必要な情報を集め撮影して編集するだけです。
YouTube運営を始めてから注意した点
それではここからは、実際に動画をアップロードし始めてから注意した点についてお話していきたいと思います。
1. 週1回のフィードバック
投稿し始めてから最も大切だと感じたのは、週1回のフィードバックです。
動画の視聴回数と視聴維持率を中心に分析を行い、とくに視聴維持率が30%以下になっている動画がないかをチェックします。
視聴維持率とは簡単に言うと、その人が何分その動画を見ているか、という点です。
YouTube側の役割の一つに広告を表示するという役割があります。
YouTube側もできるだけ長く視聴されるチャンネルを優先します。
簡単に伝えると、つまらない動画を何本出しても、YouTubeはおすすめや関連動画に出してくれないということです。
なので、チャンネル登録者0から始める方は、しっかりと動画の品質にこだわった方が良いです。
そして何よりもブログや動画投稿は非常にパワーが必要になります。ブログをやったことがある人はわかると思いますが、投稿が続かなくなるんですよね。
そこで週に一度、フィードバックをもとに次の一週間で投稿する動画の本数と内容を決めるようにします。
これを確認し合うことで一人になった時、どんな動画を投稿しよう?今日は投稿しなくてもいいかな?と迷わなくなります。
動画を作る側と進捗を管理する側の二人がいると、投稿頻度も質も保つことができます。
2. サムネイル画像の修正
より良いコンテンツが完成したとしても、クリックされなければ視聴してもらえません。
そこで、クリック率をあげる為に、少ない文字数で大きく表示させ、なるべくユーザーの視界に分かりやすく表示させていくことを意識して変更を行っています。
サムネイル画像に関しては、今後も変更していく必要があるので、データを分析し続けていく予定です。
3. ユーザーの反応を確認する
動画に対しての反応を伺うというのはコメントのことです。
投稿した動画に対してさらに疑問があった場合、ユーザーはコメントを残します。
今後さらにユーザーの期待に応えるために、コメントは全て目を通します。ECサイトで言うならレビューに目を通すと同じことです。
しかし、目を通すのは自分のチャンネルのコメントだけではありません。
ライバルYouTuberのコメント欄にもヒントが隠されています。
これから作ろうと考えていた動画が既にライバルが先に出していたとしても、戦う余地はあります。
コメント欄は常にアップデートされるので、今後もチェックが必要になります。
4. SNSでシェアする
ステッチビーイングさんはTwitter(ツイッター)も運営しており、動画ができる度にTwitterで動画をシェアしていました。
一定のフォロワーに対して動画をすぐに視聴してもらうことができるので、とても効果的です。
また、Twitter上でユーザーとコミュニケーションを取ることができ、小さな疑問を回答しクロスステッチを楽しむ方の満足度をあげています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
YouTubeはこれからもさらに視聴者が増え、ジャンルも増えていきます。
自社商品購入に繋げる為には、ユーザーが商品購入前に感じる不安を払拭するような動画や、より楽しめるような使い方やノウハウが求められます。
ユーザーは買った商品を120%楽しめるか不安ですからね。
そして、YouTube上でアクセスを集める為には、やはりライバルYouTuberの動きもみていく必要があります。
検索結果の上位に表示されれば定期的に動画が視聴されるからです。
もしYouTubeをこれから始めてみたいという方は是非参考にしてみて下さい。
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